銀河ロケットにお葉書ください 1巻
(AA) (DMM) を買ってきました
『10か月後、人類滅亡は決定的となりました』
TVのアナウンサーから唐突に告げられる隕石の衝突による人類滅亡宣言。
それによる混乱の中、日本政府は『銀河ロケット事業団』を設立し、国民一人一人からの最期のメッセージとなる葉書を集める事を始める。そしてその葉書を宇宙船「銀河ロケット号」に搭載し、人類が生きていた証しを携え、遠い銀河へと旅立つ
そんな終わりを知ったと人達は何を葉書に書くのか?そんまヒューマンドラマオムニバス漫画の第1巻
最初は太田垣康男氏作画のプロローグが掲載されており、
隕石の衝突で10ヶ月後、人類滅亡が決定的になった事、この隕石を破壊したり、軌道を逸らすことは現代の科学手は不可能な事を知らされる
そしては『銀河ロケット事業団』を設立し、「銀河ロケット号」に搭載するための葉書を集める為、国民一人、一人へ葉書渡すために配達する様子が描かれています
そして人類滅亡を知り、混乱する世界での一人、一人をピックアップして本編が始まります。この巻では2人について描かれており、それぞれが葉書に何を書き残したのか?
ちなみにこれにより市場経済は完全に麻痺して極度のインフレが止まらない状態になっています
食べ物屋の値段もこんな感じになっていたりするので、こうなるとお金より「物」を頂くようになっていたり・・・
で、最初は命が生まれる現場に立ち会う助産師「ひさえ」さんの話。
彼女はひたすら「いい子」でいようとして本音を隠して生きていく人生を送ってきた
それ故に一緒にいた彼氏とも別れる事になった(彼氏は実家に帰ってそこで終わりを迎えたいということらしい)し、引き止めもしなかった
でも残り僅かな人生で、このままで良いのかと彼女の中でも色んな葛藤があったようです。
そして知らされる『好きだからこそ、本音を言って欲しかった』と言うこと
彼女も本当の家族になりたかった。だけど自ら差し出されたその手を取らなかった。その勇気がなかった。
でもその事に今更気づいても遅かった・・・?
いや、遅くはない!!彼女のお腹の中には新しい命があり、ちゃんと向き合う為に生む決意をするのだった!!
ただ人類滅亡のほうがはやいようで、娘の顔は見ることが出来ない模様
でも彼女は非常に良い笑顔をしていた
お腹の中の娘のおかげで再度向き合うというキッカケを作ってくれたのだがら!!
次はかつて棄ててきた場所へ帰る派遣社員「隆志」の場合
最後は故郷の沖縄で迎えようと飛行機で帰ろうとするもののチケットが偽物で、キャンセル待ちをすることに
ただ空港内はキャンセル待ちでイライラが募っている人、置き引きの発生など色々と殺伐していた
そんな中で隆志は一人の空港の社員さんと出会いから、色々と考えさせられる。
今までは自分に自信がなく、他人から「ありがとう」とか「大丈夫」っていう言葉が欲しかった。
でも空港での彼女達からの言葉を聞いて、自分の意志でやりたいと思うことをやることにした!!
ってな感じで2人とも最後の最後で、自分に向き合う事が出来たという内容でした。
なんというかある意味「人類滅亡する」っていう事があったからこそ、それぞれ自身と向き合うキッカケが作れたわけで、なんとも皮肉というべきか。でも滅亡するその日が訪れても彼らは決して後悔はしないんだろうなぁっていうのが最後の笑顔から読み取れる気がします!!
悲壮感漂う世界観の物語ですが、こういう「希望」を持った終わり方であるなら滅亡しても決して悔いはないじゃないかなぁって思いました