ラバルタの田舎・リール村で私塾を営む三流魔導士・レオンの元に魔導士の最高機関・鉄の砦から一人の少年・ゼクスが託されることになる。彼は類稀な力を持つにも関わらず何故か学ぶことを拒否する。そんな彼に対してレオンは師として歩み寄ろうとするのだけども・・・孤独を抱く二人の出会いは、二人に、そして世界に何をもたらすのだろうか。
魔道士が最も下賤な身分として扱われている国・ラバルタ
そんな中で三流
魔道士・レオンは私塾を営んでいた。そして物語はかつて彼に教えを請うたダリエシが訪れた事からはじまる。そして彼にセルディア人の少年を内弟子にしてほしいと頼まれる
そうやらその「彼」はセルディア人とはいえとてつもない魔導の才能があり、
魔道士の最高機関「鉄の砦」にて教育を受けることになったのだが、完全に学ぶことを拒否しそして暴走の繰り返しをしていた。そのため処分されそうになったのだがダリエシは本当にそうするしかないのか?っと最後の可能性に賭けて・・・って事でレオンの元にやってきた模様
レオンは引き受けたものの本当に自分に務まるのか?っと自問自答しており、そしてかつての先生であるセレスの事を思い出していた
ってことでここでレオンが私塾を営むまでの過去話が語られており、彼は操魔については一流であったが導脈が弱すぎるため一度の多くの魔を操る事ができなかった
ある日、操魔が出来ないって子に互いの導脈を繋ぎ魔を組み上げる事をするのだが、その際に改めて自分の導脈の弱さを知ることなる
その子から操魔を教えて欲しいと言われた際には、ふざけるな!!っと言いそうになったけどそこは堪え、自分は無能であることを自覚しつつそれでも自分を必要とシてくれる人がいるのなら・・・っと教えるようになった
その後、この時の先生であるセレスから今後ギルド入りを認められることはないっときっぱり言われる。でも操魔を教えたその指導の才を認められ、私塾を継がないか?っと言われた
「実力がないかもしれない。だからこそあなたにしか見えないものがあるのでは?誰かを導いていくことで自分に何ができるのかを探していきなさい」っと言われ、今に至る模様
そしてレオンはゼクスの名乗る例のセルディア人の彼と出会うのであった
で、その彼だけど、早速村でしでかしてしまい、これにより村人たちに「火をつけてしまう」。
こうなったら最後、行くところまで行くしかなくなる・・・って展開になりそうでしたが村の最高権力者オルガさんの一言で最悪の事態は免れた。(でもゼクスを連れてこいとは言われる)
そしてゼクスを見つけ皆に謝るように伝えるのだが、もちろん反抗する。ゼクス自身も不快な思いをシた結果なのは分かるけど、ゼクスの態度についにレオンもキレてしまうのだけども、それでもアイツたちと同じくならないように忠告する。
とはいえ、ゼクスはそのまま去ってしまう。その後オルガさんの「連れてこい」って意味は、ゼクスに服を渡すことだったりするのでった。
そんな事がありまだまだ師弟って感じからは程遠い二人。一ヶ月たってもゼクスは「学ぶこと」自体を拒否していた。そんなレオンの元にラバルタ軍のガトーが訪ねてくるのだが
ゼクスはラバルタ軍に虐げれたカデンツァ出身なので、ラバルタ軍のマークを目の当たりした途端
またも暴走してしまう。しかもガトーだけなくレオン共々見境なしに攻撃してくる彼を見て「処分」するかどうかの決断をしてもらう手紙を書こうとしていた。
レオンは本当の師弟であれば弟子の全てを共に背負わなくてはらないのだが、出来ないっと・・・
だけど、その後彼なりに思いとどまり手紙は破棄する。
その後目覚めたゼクスは逃げることもせず、家にいた。わずかでも信頼してくれている証拠ではないかと思いたい、レオンであった。
そんなゼクスだけど、また人様を傷つけてしまうことが発生!!だけど今回は少し勝手が違っていた。
今回の被害者ニアに話を聞き、状況を整理したレオンはゼクスは字が読めないって事に気がつく
字が読めないの学びたくても学べない状態だった。でもその事は決して口にはせずゼクス自身必死に隠していた秘密だった。それそ不用意に口にしてしまい、また暴走してしまいそうになる。その前にレオンが魔を組み上げる事でなんとか回避させることに成功。その際にゼクスの才能を垣間見る
そしてゼクスに対し、ミキの力はこういう事ができるってことそれ以上のことができること。魔導を学ぶのに文字を読むことは必須ではないこと。大事なのは自分の意思通りに操魔することだとを告げる
先程レオンが魔をつないだことでゼクス自身が感じた事もあり、彼は魔導を学ぶ事を決意するのであった
そんな感じでこの巻ではレオンの過去やとゼクスの出会いから、師弟になる過程が描かれた物語のプロローグ的な構成になっていた巻だと思いました。この国での
魔道士についてのことやレオンの過去、そしてゼクスが魔導を学ぶ決意をする経緯。こういうのが丁寧に描かれいると、その後ゼクスがどのように成長していくのか?って所がすごく気になってきますなぁ。(あとゼクスとニアの関係もちょっと気になる・・・)
佐藤さくら「
魔導の系譜」(創元推理文庫刊) , イヌヅカヒロ マッグガーデン 2020-02-10