北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝 1巻
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こちら
北斗の拳の
スピンオフ漫画なのですが、他の数ある
スピンオフ漫画とは一味違う新たな可能性を見出した
スピンオフ漫画となっています。
仮に「
北斗の拳が
実写TVドラマ」だったら!?っということを題材にし、その現場で撮影する者たちの血と汗の記録が描かれています。
「
北斗の拳」の知っている事が前提ではありますけど、
北斗の拳の名セリフや名シーンを撮影現場でいろいろな事象が重なったことで生まれるのですが、その過程が大変面白く「そう来たか!!」って感じで凄く楽しめます!!
これは漫画「
北斗の拳」が存在した世界線ではない。
北斗の拳は1983年9月から始まるドラマの事である。
北斗の拳といえばモヒカンな雑魚キャラがおり、こちらでももちろん登場し、かなりガタイが良かったりします。まあプロレスラーですからね。そして役的にはいかにも敵ってキャラですが、役者さん自身はすごくいい人だったりするので、このギャップがまた面白かったりします。
それと主人公のケンシロウ役の橘は肉襦袢、ボディースーツを着て筋肉を魅せたり、太い眉毛は男らしさがあるので、付け眉毛をしたりしていた。
で、撮影の中でモヒカンがケンシロウに倒される際に内部を破壊されて穴という穴から血が吹き出すシーンがあり、これは本人ではそんなこと出来ないので、模型を使うのですが
その際にアクシデントによって血どころか中身が飛び出すことに!!
これは想像以上にインパクトがあり、監督はこれが必要だったといってそのまま採用。
もちろん他の面々はこれをテレビで流すのはっていうけど・・・
そのまま話はトントンで進んでいき、当初は発勁だったケンシロウの攻撃も派手になる。こーして必殺技「北斗百裂拳」が生まれ、更に敵が死ぬ際にケンシロウが言うセリフ「お前はもう死んでいる・・・」も生まれるのであった!!
種モミじいさんが登場する話では、この方はかなりの大御所だったりするので、舞台裏での風景はちょっと面白い感じになっている。
あと、この監督さんかなり無茶な要求をしてきて、ケンシロウが革ジャンを自力で破れないことを知ると(普通無理でしょ)、監督は筋肉で服を破ることを思いつき、服にワイヤーを取り付け、それをウインチで巻き上げることを提案。そしてケンシロウ役の橘くんに・・・
そんな不吉なことを言いかけるなよ!!
その後、なんとかうまくいき、すごく映える映像にはなったけど、毎週これやらされるのは勘弁したいよねぇ。
ケンシロウの必殺技は百裂拳だけではないって話も、橘が綱引きで負けて倒れた際に右腕を痛めたことがキッカケだったりするのが面白かったです
それと種モミじいさんのお墓に種モミを落とすシーン。ここいいシーンではあるんだけど、それを思いついた橘の心理が
マジ只者じゃなかった!!
ライバルであるシンはやはりというか人気アイドルだったりする。
そんな彼もこの撮影を通じて一皮むける事になるのであった!!
ユリア役の方がシンとの絡みで撮影するのだけど、まあこんな感じで現実離れした光景をみたらそりゃ嫌がるよねぇ
なので服を着て再度撮影しても、思い出してフイてしまったりする
ハート役の方は元力士なのだけど、暴力シーンではトラウマがありおびえてしまう人だった。でもハート用の爆破用セットを着込むことでデケェ人になり
北斗の拳で人間離れした身長の高さをうまく表現することに成功。痛がりなのは治ってないので迫力ある顔のまま痛がるので、それが逆にいい感じに作用する事に。
そしてハートが爆破する祭、着た状態のまま爆破させるというこの撮影の中で一番ヒデェ倒されることになるのですが、その際に彼は「ひでぇ」っと言おうとしたのだけど、爆発に巻き込まれてセリフを弾けてしまい、あの「
ひでぶ」が生まれる
そんな言葉が断末魔ように採用されることになるのだけど、これはまた美味いこと料理したなぁって思いました!!
ちなみにハート役の人大丈夫だったのかと心配しましたけど、描き下ろしでこの過酷な経験により恐怖を克服しプロレスラー・ミスターハートとしてリングに立っていた。(生きてた&トラウマ克服出来たのは良かった・・・)
そして
実写TVドラマ北斗の拳の1話が放映される
あの爆発シーンはやはり苦情が来たようだけど、それを上回る高評価をもらい、最大の難関を大成功で乗り越える
ケンシロウとシンの蹴り合いのシーンはワイヤーで飛び回る事になり、
あの凄みは何回もリテイクがあって疲れたための表情であり、そして「南斗獄屠拳」なのになぜが蹴っているように見える理由が判明する。それは交差間際に手刀で攻撃する技だから!!(そうだったんだ・・・)
ケンシロウの胸の7つの傷をシンがつけたことになる経緯も、尺稼ぎから生まれたことであり、そして話が進めば明かされる設定があったけど、続編があるかも分からない未来を想定してるのはおかしいっと現場からの声でこうなったのであった。
この辺りでシン役の菱川もかなりこのドラマ撮影現場に毒されてますよねぇ。
ケンシロウが自身の傷口の血をすくって舐めて吐き出すシーンも、また好奇心に負けた結果だったりするのだけど、他の皆のフォローがあってそのまま採用されたりするのが現場での役者同士の繋がりが見えていい感じでしたよ
そんな
北斗の拳は大ヒットにより長編シリーズ化が決定!!
盛り上がる現場だけど、そこでスキャンダルが!!
それと描き下ろし漫画では、このドラマ「北斗の拳」が令和に復活するってことで、その様子が描かれており
改めて昭和の倫理観ってどうなっているって言われる様子が描かれていました。まあ今ではこんなのTVで放映できないよねぇ。
そんな感じで
実写TVドラマ北斗の拳の撮影現場を通じて、あの名セリフや名シーンが生まれる様子が描かれており、原作漫画の変なシーンを上手く帳尻合わせている所は偶然もあったりするけどホント「凄い」の一言に限ります!!
ここまで上手く料理されると今後のあのシーンやこのシーンは一体どういう感じで撮影されていくのか?って言うのが今から楽しみで仕方ないです!!
2巻ではこのスキャンダルからユリア役の人とシン役の人が飛び降りることになるのだけど、どういう経緯からそうなるのかとか、今から楽しみです!!
武論尊,原哲夫 コアミックス 2021-10-20
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